お盆からしばらくたったある日、用事があったので東京へ...
ついでに息子とランチしたのですが、その時作ってもらった二つ折り財布のカード入れがきつくて入らない段があるとのこと。
思い起こせば、レザークラフト始めて2~3ヶ月で作成した財布。あれから丁度3年経過した時期なので、再度「二つ折り財布」に挑戦。
大嫌いな革漉き
東京帰りに浅草橋で財布内側に使用するやまぶき色の0.8mm牛革(半裁の半分)を購入3,000円弱。安い。
アウター用にワニ型押し牛革(黒)A4サイズ2枚を購入。紺色が欲しかったが黒しかないので我慢。帰ってから工夫してみることにした。
早速、革漉きを開始。カードケースの差込み口は、さすがにコバ処理出来そうもないので、折返し処理するためさらに薄く。
また、最終的に完成すると6~7枚重なる箇所ができるので、可能な限り全て薄く漉くことに、覚悟した。
ワニ型押しの染色
来る日も、来る日も、鬼のように革漉きを繰り返し。薄くし過ぎて、ちぎれたら革を切り出して、また最初から。
指の関節が痛くなって、曲がらないほどになったら、ひと休み。
その間、ワニ型押し(黒)をなんとか染色を試みたが、うまく染み込まない。表面をシンナーでこすっても表面の塗料が取れない。床面からしみ込ましても表面まで滲んでこない、表面やすりで荒らしたら取れたが表面ガサガサになるので失敗。結局以前使い残した「染めQ」をスプレーして紺色にした。思い通りの色合いは出なかった!!
今回は、これで妥協!
札入れ部分の裏張り革の染色
ほんとうに、今回は革漉きに明け暮れた。
指の関節が痛み出したら、こんどは2日休憩。
その間に、札入れの部分は裏張りして床面を出さないことにするので、0.8mmヌメ革を染色。いつもの赤で染色し、乾いた後にこげ茶に2滴の黒で染色。思い通りの赤こげ茶ができあがった。
カードケース部の作成
ようやく、ほぼ革漉きが一段落。
いよいよカードケース部の作成。折り返したカード入れと、それを台座(これも革漉き実施)に縫い付ける。右端も台座の裏側に折り返して接着することにした。左端はアウターを貼り合わせてから、切り落とす予定。
コインケースの作成
コインケースは、今回大きく開けて、コインの確認・取り出しが容易なBOX型にした。
それぞれのパーツをこれまた薄く漉いて、貼り合わせる。被せ蓋もせっかくなので、ワニの型押し革を使うことにした。縫い穴は4mmピッチで糸は六花0.5mmターコイズを使用した。
インナー台座との張り合わせ
カードケースとコインケースをインナー台座に貼り合わせて、中央部の折り曲げしろをとってから、インナーの上部だけ縫い合わせる。縫い終えてから上部2mmを切り落とす。上部だけコバ磨きを実施。
今回、上品な仕上げにしたいので、アウター側を3mmピッチ穴に合わせて、ここも3mmピッチで糸はビニモ#5 ターコイズを使用した。
アウター張り合わせ
アウター(1mm)がかなり硬めの型押し革なので、急遽アウターを0.8mmに全面漉きし、アウター裏張り革を周辺斜め漉きを実施。出来上がりがかなり厚くなりそうなので、ここが最後の頑張りところ。
薄く漉けたら、側面と下部5mm巾くらいにゴムのり塗布し、アウターから少し下げた位置(約1mm)に貼り付け、5mmでスッテッチングルーバーで後を付け、縫い合わせる。
縫い合わせたら、外面から2㎜位置にけがき線を引き、その位置で切り落とす。ここは縫い目を意識しながら水平を保ち慎重に行う。(ここが一番重要かも)
最後に
「二つ折り財布は各所にテクニックが盛り込まれ、総合的な技術力が必要とされる。」と言われている。
確かに、カードケースの継ぎ目やコインケースの接着位置など現物合わせが必要な個所が多く、それに合わせて、縫い穴を微妙に調整が必要となる。したがって、型紙から最初に縫い穴位置を指定することは難しく、縫い穴の微妙なズレは3mmピッチだと顕著に出てしまった。菱目ピッチ4mmにし、0.5mm糸(六花)にし、目立たなくすればよかったと反省している。
それにしても、3年前に作成した二つ折り財布に比べれば、格段に上達したことが感じられる。自己満足感がある。